2025年11月9日、今年初めてのフラット運動会を開催しました。
年齢や立場に関係なく、誰でも気軽に参加できて、一緒に楽しめる時間をつくりたい。そんな思いから生まれた、新しい取り組みです。
初めての運動会は、まさにその雰囲気が自然と広がった一日でした。
体育館には、子どもも大人も初めて会う人同士も集まり、特別なテンションではなく、どこか落ち着いた空気が流れていました。
開会のあいさつが終わると、チームの色ごとに輪ができ、自然と「よろしくね」「頑張ろう」の声が聞こえてきます。
「初対面なのに話しかけやすい」
「なんか参加しやすい」
そんな空気が、最初から流れていたように思います。
競技が始まると、体育館の空気が一気に明るくなりました。
綱引きでは、子どもも大人も本気で力を込め、車椅子の方も体を傾けながら力いっぱい踏ん張る姿に、その場の応援がどんどん熱くなっていきました。
玉入れでは、大人が一生懸命に玉を投げる姿に子どもが笑い、子どものまっすぐな全力に、大人が自然と励まされていました。
「誰かの本気」 がそのまま周りの楽しさにつながっていく、そんな場面が次々と生まれました。
フォークダンスは、事前に練習していたわけでもなく、曲が流れたらとりあえず輪になって始めるスタイル。
ステップは揃わず、回る方向もバラバラ。
でも、ずれた瞬間に誰かが笑って、その笑いが隣の人に伝わり、
体育館が一気に柔らかい空気になりました。
「完璧じゃない方が良い」
そんなことを教えてくれる時間でした。
▼声になった参加者の気持ち
「立場とか関係なく話せる空気が心地よかった」
「地域の大人が本気で動く姿、子どもにとって最高の教材でした」
「初めて会う人とチームになって、自然に協力できたことがうれしかった」
「気がついたら『また来たい』と思っていました」
大切にしたいのは、「できるようになること」ではなく、それぞれができるかたちでそこにいられて、
「一緒にいるのが楽しい」と感じられること。
運動会を終えて一番心に残ったのは、勝ち負けではありませんでした。
うまくできた瞬間よりも、
失敗してみんなで笑った瞬間の方が印象に残っていて、
大きな拍手よりも、名前も知らない誰かと
「今のすごかったね!」と顔を見合わせて笑い合えた、
その小さな場面の方が、ずっと温かく感じられました。
車椅子のまま参加する人がいれば、
その人のペースに合わせて声をかけたり、応援したり。
「こうしなきゃいけない」ではなく、
「このままで一緒にいよう」と受けとめ合う空気がありました。
この運動会が教えてくれたのは、
「できない自分を責めないでいられること」
そして「できない場面も含めて、互いを許し合える関係性」の心地よさです。
地域の中に、
そういう風景がちゃんと育ってきていることが、
何よりの喜びでした。
参加してくれた人、支えてくれた人、動いてくれたスタッフ一人ひとりのおかげで、この日が形になりました。
ありがとうございました。
この地域に、
「一緒にいるのが嬉しい」と思える時間が
これからも増えていきますように。